採用サイト
一般的な求人情報を掲載するだけでは十分な応募が得られていなかった大手システム会社に対し、求職者が「この会社に入社したら、自分はどう働くのか」を具体的に想像できる採用情報サイトを企画。公開後、応募数は約4倍に増加しました。
応募者が知りたいのは、給与や福利厚生だけではありません。 「この会社に入ったら、自分はどんな仕事をし、どんな人たちと働き、数年後どうなっているのか」という未来です。
課題
この大手システム会社では、システムエンジニアの採用にリクルート等の一般的な求人媒体を利用していました。
しかし、募集を行っても十分な応募数を確保できず、さらに会社が求める人材との接点をどのように増やすかが課題となっていました。
調査・分析
当時の採用サイトや求人情報を調査すると、掲載されている内容の多くは、給与、募集職種、勤務条件、福利厚生といった「企業側が提示する採用条件」が中心でした。
一方、応募を検討するシステムエンジニアの立場から考えると、本当に知りたいのは条件だけではありません。
- 「実際にはどんな仕事をするのか」
- 「どんな人が働いているのか」
- 「入社後、どのようなキャリアを歩むのか」
- 「自分がこの会社に入ったら、どんな毎日になるのか」
こうした入社後の具体的な姿を判断するための情報が不足していると考えました。
企画
そこで、一般的な求人ページを増やすのではなく、採用情報そのものを独立したWebサイトとして設計しました。
コンセプトは、募集条件を説明することではなく、潜在的な応募者がこの会社で働く自分自身を具体的に想像できることです。
求職者を単なる「応募者」として見るのではなく、
- 会社を知る
- 働く人を知る
- 仕事を知る
- 自分の将来を想像する
- 応募を判断する
という求職者目線のストーリーに沿って採用情報全体を企画しました。
アンドワンの判断
企画の中心となったキラーコンテンツが、「先輩の声」です。
現在では採用サイトで一般的に見られる社員インタビューですが、当時はまだ、企業が募集条件以外の「実際に働いている人の声」を体系的に見せる採用サイトはほとんどありませんでした。
そこで社内の協力を得て、実際に働いている社員へのインタビューを実施。 単に数名の社員を紹介するのではなく、
- 部署別
- 職種・役割別
- 役職別
- 入社年数・経験年数別
など、さまざまな立場の社員を掲載しました。
応募者が、自分に近い立場の社員を見つけ、
「入社直後はどのような仕事をするのか」、
「数年後にはどんな仕事を任されるのか」、
「どのような人が先輩や上司になるのか」
まで想像できる情報構造としました。
つまり、「先輩の声」は単なる社員紹介ではなく、応募者が入社後の自分の未来を疑似体験するためのコンテンツとして設計したものです。
実装
情報構造
給与や福利厚生などの募集条件を起点にするのではなく、応募者が会社を理解し、自分がそこで働く姿を想像してから応募を判断できる順序で情報を構成しました。
キラーコンテンツ
部署・役職・経験年数などの異なる社員へのインタビューを「先輩の声」として体系化。 企業側からの説明だけでは伝えられない、実際の仕事、職場、人間関係、成長過程を社員自身の言葉から理解できるようにしました。
採用体験の設計
理解、比較、相談・予約・利用までを一続きに設計。求人条件を比較するだけの採用情報から、
「この会社で働く自分を想像して応募する採用情報」
へと転換しました。
サイト制作そのものを目的にするのではなく、応募者が企業を理解し、納得して応募するまでの判断プロセス全体を設計しています。
成果・変化
採用情報専用サイトの公開後、応募数は従来の約4倍に増加しました。 単純に求人広告の露出を増やしたのではありません。 応募者が知りたい情報をリサーチし、従来の採用情報には不足していた「入社後の具体像」をコンテンツとして提供したことで、応募行動そのものが大きく変化しました。
この事例から分かること
成果を出すために重要なのは、「採用サイトには何を掲載するのが一般的か」から考えることではありません。
まず、
- 誰に、どのような行動をしてほしいのか。
- その人は判断するために何を知りたいのか。
を調査することです。
この事例では、「応募数を増やしたい」という目的に対し、求人媒体を増やしたり、募集条件を目立たせたりするのではなく、応募者が入社後の自分を具体的に想像できないことを課題として捉えました。 そして、その課題を解決する方法として「先輩の声」を中心とした採用情報専用サイトを企画しました。 アンドワンでは、最初から作るページや機能を決めるのではなく、目的からリサーチを行い、見る側・使う側の判断を分析し、その目的を達成するために必要なWebサイトを企画します。
関連ページ
応募者が知りたいのは求人条件だけではなく、そこで働く自分の姿です。
同じ業種であっても、企業の立場、顧客、商流、運用体制によって適切な施策は異なります。この事例の手段をそのまま再利用するのではなく、同じ判断方法を使って個別に企画します。